経緯等:
私は、約0年前に家を建てました。フルートを演奏するので、「絶対、夜でも吹ける防音室!!」と考え、各住宅メーカを廻りました。
その中で、セキスイハイムのみが「建てたあとの防音(遮音)性能を保証します」と言ったので、セキスイハイムに決定。
しかし、今考えればあの時の営業は大変な事を言ったものだと思います。そして実際に本社の研究所から測定に来られ、引き渡しとなり、満足して20年以上使っております。
今はハイムの営業の方は、知識がない方は「気密性がよいので、大丈夫」としか言いません。私と一緒に苦労された営業の方はそれではだめということを認識されておられるようです。ビニール1枚でも気密性は保たれますが、遮音とは別物。やはり数値で保証してもらわないと、建てた後、後悔します。
実測性能
実測に当たっては、遮音性能を基準にしていきます。(他に吸音とかありますが・・)
1:測定機材
騒音計(小野測器:LA-1250)
スピーカー(小野測器 SJ-1810 12面体スピーカ スタンドSK-4210付)
雑音信号発生器(リオン:SF-05)
2:測定方法
室内で多面体スピーカーから125Hz,200Hz、500Hz、1000Hz、2000Hzの各周波数を放射。
一番防音性能が弱い、窓際5か所において、dBを測定。
次に、外側の窓際5社所においてdBを測定。
JIS等の規格によれば、部屋から部屋への遮音性能を測定するのが前提となっています。しかし片側は半自由空間の外側です。
JISのように測定すると、外側はいくらでも遠ざけて測定できることになり、意味がありません。従って、外側も窓際5か所を測定します。
3:測定結果
1) 2016年時のKTS展示場のセキスイハイム2階ベランダにおける遮音性
遮音等級(D値)については、他のネットのページに詳しく書かれているので省略しますが、
このD値が大きい程、遮音性能大です。そしてこの赤線の実測の場合D-20辺りの
線(低すぎて引いてませんが)が相当します。
周波数毎、値が違うので、D値の線にはきれいにのりません。従って
一般的には、500Hzの値を用いることもあるようです。
それで行くと、22dBというところ。(カタログ上は25dBだそうです。)
部屋の中でSAXを鳴らし、窓を閉めても、「ダダ漏れ」の状態。お話になりません。
防音室ムリ~!
2) 1993年に建てた幸田低防音室(角地)
西側も南側も2重窓のレバーでガッチリ抑えるタイプです。
今は売ってません。
西側小窓は35dB 南側大窓(人の出入り可)は30dBです。
一応、建てた当時は35dBと言われてました。それから8/6豪雨水害で1回水没した割には
ほぼ30~35dB保持しており、非常に満足です。
フルートの音でしたら、よーく、聞かないと、防音室から音が聞こえてるとわかりません。夜中も吹いてます。苦情なし。
SAXだと、明らかに防音室から。隣が道路でなく、家があったら、夜中はやや迷惑。
3)M氏低(2016年)
経緯でも書きましたが、セキスイハイムのみでは無理。ということで内窓ににPLASTという製品をつけ、壁の遮音性ももう一段上げて
建ててます。
内側からみた2重窓
写真中の左がセキスイハイムの窓
写真中の右(内側)がPLASTの内窓
PLASTのみを閉めた場合がPlast only、ハイムのみの場合がハイムonly、全て閉めた場合がトータルです。
PLASTにはもう少し頑張ってもらいたかったのですが・・・・、ハイムの方が予想より良かった。
総じて35~40dBありそうです。500Hzでいくと43dB、申し分ないですね。
あと、125Hzの性能が悪いですが、原因ははっきりしています。
夕刻外でのそくていのため、時たまバイクや車の走行音が入り、背景雑音は42.3dB,これに対し測定音が44dBと、
あまり差がでませんでした。室内の音をもっと上げれば解決するのですが、体力的に限界。
いづれにしても約150万アップして作っただけのことはあります。しかも私の助言のみで(ここが言いたかった!)
防音室を作りたい方、参考にしてください。作ったけど性能を測定されたい方、実費程度で伺います。